「つい口出ししてしまったり、感情的に叱ってしまい嫌になる」
「褒めてあげたいのに、どこをどのように褒めればいいかわからない」
我が子の将来を思っての言動とはいえ、子どもとのかかわり方に正解はなく、迷いや悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。他にも、一生懸命やればやるほど、子育ての悩みは尽きないものですよね。
今日はアドラー心理学を活用した子育て方法について、特に「エンカラージメント」つまり「励まし」の活用法についてお話しします。アドラー心理学をうまく活用すると、子どもの個性を最大限に引き出すことが可能になるんですよ。
まず、アドラー心理学って何?と思う人もいるかもしれませんね。簡単に言うと、人は社会の中で生きるために、他人と協力しながら、自分の目指す目標に向かって進むという考え方です。つまり、私たち一人一人が社会の一部であり、他人と共に生きることが重要だとアドラーは考えました。
このアドラー心理学の中でも、「エンカラージメント」は特に重要なキーワードです。
子育ては難しい時もありますが、アドラー心理学の考え方を知ることで、今後の子育てのヒントになるかもしれませんよ。
エンカラージメントとは?
エンカラージメントは、アドラー心理学で重要な概念で、「励まし」や「応援」といった意味を持ちます。子育ての中でエンカラージメントとは、子どもの可能性を引き出し、自己肯定感を高めるための言葉や行動のことを指します。
具体的には、子どもが失敗した時に「失敗は悪いことではない」というメッセージを伝えたり、助けを求めた時に「自分で解決しようとする姿勢が素晴らしいね」と言葉をかけたりします。これにより、子どもは自己効力感を育て、自分の力で問題を解決する自信を得ます。
また、子どもが自分の意見を述べた時は、その意見を尊重し、自分の考えを自信を持って表現することができるよう励まします。エンカラージメントは子どもの個性を伸ばし、自信と勇気を与え、自立心を育むことを目指します。
子どもが失敗を恐れず、自己肯定感を持ちながら成長していくためには、親の温かい励ましと共感が欠かせません。
エンカラージメントの活用例
それでは、具体的にエンカラージメントをどう活用するか、日常のいくつかの場面を通じて見ていきましょう。
失敗したとき
子どもが何かを失敗した時、親としてどう対応しますか?大事なのは、「失敗は悪いことではない」というメッセージを伝えることです。
たとえば、「大丈夫、みんな最初は失敗するよ。でもそれが上手になるきっかけだから、また挑戦してみよう!」と励ましてみましょう。これにより、子どもは失敗を恐れず、逆に新しいことに挑戦する勇気を得ることができます。
助けを求めたとき
子どもが助けを求めた時も、エンカラージメントを活用するチャンスです。自分で解決できる問題ならば、「自分で解決しようとする姿勢が素晴らしいね。どうやって解決するか、一緒に考えてみよう!」と声をかけてみてください。これにより、子どもは自己効力感を持つことができ、自分の力で問題を解決する自信を得られます。
自分の意見を述べたとき
子どもが自分の意見を言った時は、その意見を尊重して聞きましょう。「それは面白い考え方だね。もっと詳しく教えてくれる?」と返すことで、子どもは自分の意見が大切であると感じ、自分の考えを自信を持って表現することができるようになります。
友達との関わりで悩んだ時
子どもが友達関係で悩んでいる時、大人から直接解決策を提供するのではなく、「君ならどうすると思う?友達の気持ちを考えてみて、一緒に解決策を考えよう」と話しましょう。これにより、子どもは他者への共感力を育て、自分で問題を解決する力を身につけます。
自分の感情を表現するとき
子どもが感情を表現する時、それを無視したり否定したりしないで、「怒っているんだね、どうして怒ったの?」と感情を受け入れる言葉をかけましょう。子どもの感情を尊重することで、自分の感情を理解し、適切に表現する力が育ちます。
自分で決断する時
子どもが自分で何かを決断しようとする時、「君が決めるんだね。自分の選択に自信を持とう。」と言って支持しましょう。自分で決断する経験を積むことで、自立心が育ちます。
このように、エンカラージメントは子どもの可能性を引き出すための大切なツールです。子育ての中でこの方法を取り入れることで、子どもは自分自身の力を信じるようになり、それが子どもの個性を伸ばす力となるのです。
「具体的に励ます」「過程を重視する」「比較を避ける」「子どもの意見を尊重する」「感謝の気持ちを忘れずに」
親の大切な役割
子育てにおいて、親の役割は何でしょうか。それは、子どもが自分の力で生きていけるように、導くことです。子どもは最初、何も知らない状態から始まります。親がそばで見守り、必要なときに手を差し伸べることで、子どもは少しずつ自分の力を育てていきます。
しかし、親がやってしまいがちなのは、「先回り」や「過保護」です。例えば、「ここで転んだら痛いから、先に手を引いてあげよう」と考えるのは親の自然な感情です。しかし、それを続けてしまうと、子どもは自分で考え行動する機会を失い、自分の力を育てることが難しくなります。
短期的ではなく、長期的な視野で子どもと向き合い、幸せを願う姿勢を保ちましょう。
まとめ
アドラー心理学を活用した子育ては、子どもの個性を伸ばすだけでなく、親自身も成長するきっかけとなります。
子育てはチームワークです。親が子どもと一緒に成長する過程を楽しむことができれば、それが最高の子育てだと私は思います。
子育ては難しいけれど、アドラー心理学を使ってみると、新しい視点が見えてきます。
一緒に子どもの成長を見守り、子どもが自分自身を信じ、自分らしさを表現する力を育てていきましょう。
次回も引き続き、アドラー式子育ての具体的なテクニックをご紹介しますので、お楽しみに。
コメント