「自己肯定感を高めるためには褒めることが大切だ」
教育現場で働いているとこのような言葉を何回も聞きます。
私も子どもの自己肯定感を高めることが大切だと感じていたので、子どものいいところを一生懸命探し、褒めまくっていました。
しかし、子どもの反応や様々な経験を通じて
「褒めればいいってものではないんだな。」
「褒め方を間違えてしまったら子供に悪影響なんだな」
と感じるようになりました
この記事では、そんな自分が身につけた自己肯定感が低い子どもを褒める時に気をつけるべきポイントについて解説します。
親や教師が知っておくべき効果的な褒め方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ普通に褒めてもダメなのか
自己肯定感が低い子どもは、自分を過小評価し、悩みや不安を抱えることが多くなります。
自分に自信が持てず、人間関係や学業などで悩むことが多くなるため、適切なサポートが必要です。
褒めてみても嬉しそうな素振りを見せなかったり、嫌がったりすることもあります。
普通に褒めること自体は悪いことではありませんが、適切でない褒め方は子どもの自己肯定感を十分に高められず、逆に心理的な負担を与えることがあります。
自己肯定感が低い子どもを褒める時の7つの注意点と例
自己肯定感が低い子どもを褒める時に気をつけるべきことを7個紹介させていただきます。
また、
- 具体的に褒める
- 過度な褒めを避ける
- 努力や過程を褒める
- 誠実な褒め言葉を使う
- 褒めるタイミングを考える
- 他の子どもと比較しない
- 子どもの反応を観察する
1.具体的に褒める
子どもが何に対して努力しているのか、どんな成果を上げたのかを具体的に指摘して褒めることが大切です。
抽象的な褒め言葉よりも具体的なものの方が、子どもが自分の良いところを理解しやすくなります。
例1:子どもが図工で立派な作品を作った時
「今日の図工の作品、色の組み合わせが素敵で、とても立派にできていたね。」と褒めます。
例2:子どもが宿題を早く終わらせた時
「今日は宿題を早く終わらせることができて、とても集中して取り組んでいたね。」と褒めます。
悪い例
「すごいね!」という抽象的な言葉で褒めるだけで、子どもにどの部分がすごいのか伝わらない場合があります。
「いつもと同じだね。」と、褒めるべき点があるにもかかわらず、具体的な褒め言葉を使わない場合。
2.過度な褒めを避ける
過度な褒めは、子どもが期待に応えられない不安やプレッシャーを感じる原因になることがあります。
適切な程度で褒めることが大切です。子どもの成果や努力に対して、過大評価せず、適切な評価を行いましょう。
例1: 子どもが勉強で少し成績が上がった時
「前よりも点数が上がって、成果が出てきたね。これからも頑張ってね。」
例2: 子どもがスポーツで少し上達した時
「練習の成果が出て、少し上達しているね。これからも続けていこう。」
悪い例
「君は天才だよ!」と、子どもの能力を過大評価してプレッシャーを与える場合。
「君なら絶対できる!」と、達成が難しい目標に対しても成功を約束するような言い方をする場合。
3.努力や過程を褒める
結果だけでなく、努力や過程を褒めることで、子どもは自己肯定感を向上させることができます。
失敗しても挑戦し続ける姿勢や、困難に立ち向かおうとする心意気を評価しましょう。
例1: 子どもが練習に励んでいる時
「毎日練習に取り組んでいる姿勢が素晴らしいね。その努力がいつか結果につながるよ。」と褒めます。
例2: 子どもが困難な問題にチャレンジしている時
「難しい問題にもチャレンジし続ける姿勢がすごいね。その勇気を持ち続けることが大切だよ。」と褒めます。
悪い例
例1: 成果が出なかった場合に、努力を全く評価せず、「ダメだね。」と否定的な言葉を使う場合。
例2: 子どもが努力している途中で、「まだできないの?」と焦らせる言葉をかける場合。
4.誠実な褒め言葉を使う
本心から感じたことを褒めるようにしましょう。
無理に褒めると、子どもはそれを感じ取り、逆に信用を失うことがあります。
素直な気持ちで子どもの良い点を見つけ、それを褒めることが大切です。
例1: 子どもが友達と上手くコミュニケーションをとっている時
「あなたは友達と話すのが上手で、みんなが楽しそうだね。」
例2: 子どもが困っている他の子どもを助ける時
「他の子を助ける優しい心が素晴らしいね。その心遣いが人間関係を良くするよ。」
悪い例
自分が本当に感じていないことを褒める場合、「すごいね!」と言っても心のこもっていない態度を示す場合。
褒める内容が明らかに嘘である場合、「君はプロ並みだね!」と子どものスキルを過大評価する場合。
5.褒めるタイミングを考える
子どもが自分で成果に気付いた時や努力している最中に褒めると、自己肯定感が高まりやすいです。
また、褒めるタイミングが適切であれば、子どもは喜びを感じやすくなります。
適切なタイミングで褒めることが、子どもの自己肯定感を高める助けとなります。
例1: 子どもが勉強を頑張っている最中
「今日も一生懸命勉強しているね。その姿勢が素晴らしいよ。」
例2: 子どもが自分で料理を作った時
「自分で料理を作ることができて、すごいね。味もとても美味しいよ。」と褒めます。
悪い例
子どもが自分の成果に気づいていない状況で、無闇に褒める場合。
子どもが悩んでいる時や失敗して落ち込んでいる時に、場の空気を読まずに褒める場合。
6.他の子どもと比較しない
子ども同士の比較は、自己肯定感が低い子どもにとって、プレッシャーや劣等感を感じる原因になります。
比較を避け、子ども一人ひとりの良い点を褒めましょう。
例1: 子どもが独自の発想で物事に取り組む時
「あなたのアイデアはユニークで面白いね。自分の考えを大切にすることが素晴らしいよ。」
例2: 子どもが他の子と異なる方法で問題を解決した時
「あなたの解決方法は独創的で、新しい発見があって素晴らしいね。」
悪い例
例1: 「お兄ちゃんはできるのに、どうして君はできないの?」と、兄弟や他の子どもと比較してしまう場合。
例2: 「クラスで一番成績がいい子にならないとダメだよ。」と、他の子どもとの競争を強要する場合。
7.子どもの反応を観察する
褒めた後の子どもの反応をよく観察し、その子に合った褒め方を見つけることが大切です。
子どもが喜ぶ顔を見ることが、親や教師にとっても大きな喜びとなります。
子どもの反応を観察して、適切な褒め方を見つけていきましょう。
例1: 子どもがピアノの練習に励んでいる時、
「音がだんだん綺麗になってきているね。」
と褒め、子どもが喜んでいる様子を確認しましょう。その後、
「練習が続けられるようにサポートしていくね。」
と言って、子どもの努力を支えます。
例2: 子どもが絵を描いている時、
「色使いがとても素敵だね。」
と褒め、子どもの反応を見ながら、
「どんな風に考えて色を選んだの?」
と質問し、子どもの考えを聞くことで、子どもが自分の意見を大切にされていると感じさせます。
悪い例
子どもが褒められたことに対して恥ずかしそうにしているにも関わらず、さらに褒め続ける場合。
子どもが褒められることでプレッシャーを感じている様子に気づかず、過度に褒めてしまう場合。
まとめ
これらのポイントを意識することで、自己肯定感が低い子どもたちの心を支え、自信を持たせることができます。
子どもたちは自分の価値を理解し、前向きな態度で人生に取り組む力が育まれます。
親や教師が子ども一人ひとりに寄り添い、適切な褒め方で子どもたちの自己肯定感を高めることが大切です。
子どもたちの成長を応援し、彼らが自分の力を信じられるように、日々のコミュニケーションで効果的な褒め方を取り入れましょう。
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